○平成21年度の目的 (1)20年度に完成したTFTメモリのプロトタイプから移動度などのトランジスタ特性や、情報の保持時間などのメモリ特性の詳細な解析を行い、この手法の優位性を考察する。 (2)2層目のSiをSiナノドットにし更なる高性能化の可能性を探る。 (3)2層のアモルファスSiを更に積層させ3層を同時に結晶化し更なる多値メモリ化の可能性を探る。 ○研究成果について (1)研究結果レーザー照射により、移動度、ON電流、しきい値電圧の改善がみられトランジスタ特性に大幅な性能の向上がみられた。また情報の保持時間も大幅に向上し、メモリ特性においても大幅な向上がみられた。本手法により特性が向上したことから当初の研究目的が達成することができた。 (2)この研究を行っていく中で、三次元基板を結晶化することで間に挟まれていたSiO_2が、結晶化時に発生する融解熱によりアニールされ、絶縁性の向上がみられるという、構造からくる新しい知見を得ることができ、更なる高性能なデバイス化の発展が期待できることが分かった。 (3)Siドットに直接レーザーを当てると融解し層になるため、Siドットを融解せず結晶化する方法を模索したが、うまくいかずSiドットを用いた結晶化は難しいことが分かった。 (4)レーザーが直接当たる1層目に比べ、2層目は微結晶化しており粒径が小さく、3層目には結晶の変化が見られなかった。レーザーの出力等を変化させ研究を続けたが結晶化は難しく、更なる積層化による高性能メモリの作製は実現しにくいことが分かった。
|