当該年度は対象となる感染菌(赤痢菌アメーバおよびクリプトスポリジウム)レクチンの発現および単離精製を行った。東京大学大学院薬学系研究科生体異物学教室・入村達郎教授から両感染菌レクチンのcDNAが組み込まれたベクターコンストラクトを数種類いただいた。様々な発現系の中から大腸菌を用いて両レクチンを発現することができ、大量培養した大腸菌体からの両レクチンの単離および精製を行った。大腸菌で発現させた赤痢菌アメーバレクチンの活性測定はアシアロBSMをコーティングしたELISA法を用いて行った。赤痢菌アメーバレクチンの活性を確認することができ、MUC2糖ペプチドを固相化した糖ペプチドアレイが作成でき次第、認識プロファイルを確認する。クリプトスポリジウムレクチンに関しては精製までできたので同様の活性測定を行う。糖ペプチドアレイに固相化するMUC2糖ペプチドの合成に関しては大腸・小腸に主に発現しているMUC2ムチンのタンデムリピート部のアミノ酸配列(PTTTPITTTTTVTPTPTPTGTQT)を参考にし、PTTTPITTTTTVおよびVTPTPTPTGTQTというペプチド配列を合成した。様々なバリエーションで糖鎖が付加したペプチドの合成は来年度行う。
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