当該年度はMUC2ムチンのタンデムリピート部のアミノ酸配列を元に設計した、PTTTPITTTTTVペプチドに対し56種類のパターンでN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を付加したペプチドを合成した。大腸菌で大量発現させた赤痢アメーバレクチンの活性はアシアロBSMに対しては確認できたものの非常に弱かったため、植物レクチンであるVVA-B4レクチンのプレート上に化学的に固相化したGalNAc付加MUC2ペプチドに対する親和性をELISA法で測定した。その結果、GalNAc付加MUC2ペプチドがプレート上に固相化されておりVVA-B4のペプチドに対する親和性がMUC2ペプチド上のGalNAc付加位置により異なることが明らかとなった。 GalNAc付加MUC2ペプチドを固相化したプレートを作成できたことにより、感染寄生虫レクチンのGalNAc付加MUC2ペプチドに対する親和性を測定することが可能になった。将来的に寄生虫レクチン間での親和性の違いを利用した感染症診断を行うことができると考えられる。
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