女性は後期高齢になるほど生活機能が低下するため、高齢女性の介護予防が重要である。これまでの研究で、社会活動が一般高齢者の身体機能や主観的健康感にプラスの影響を与えると報告されているが、要支援高齢者の社会活動の形態については明らかにされていない。本研究は要支援認定を受けた独居前期高齢女性の社会活動の形態を明らかにすることを目的とした。 研究対象者は要支援認定を受け介護予防サービスを利用する独居の前期高齢女性6名とし、対象者1名につき60分前後の半構造化面接を2回実施した。分析は質的記述的分析を行った。本研究は所属機関の倫理委員会の承認を得て実施した。分析の結果、要支援前期高齢女性(以下、要支援高齢女性)の社会活動の形態として14カテゴリーを抽出し、カテゴリー間の関係性を検討し【自分のペースを主にした可能な範囲での周囲とのかかわり】、【負担をかけず体調に合わせた自宅内での自律した生活】、【明確な目的をもった意味を有する外出】3つに類型化した。 要支援高齢女性は他者との関わりを維持していたが、それは積極的なものではなく自分のペースに合わせたゆるやかなものであった。また、独居であることから、自分を見守ってほしいというサインを周囲に送り続けて生活をしていた。要支援高齢女性は、体調に合わせて自宅で無理をせず過ごしていたが、自宅内の生活は単調なものではなく、家事をすることで自身の身体・認知機能を確認し、自己も表現していた。
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