• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

強定常磁場による造血幹細胞の分化・増殖促進作用及びその機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 20890012
研究機関弘前大学

研究代表者

門前 暁  弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (20514136)

キーワード造血幹・前駆細胞 / 赤血球前駆細胞 / 巨核球前駆細胞 / 定常磁場
研究概要

我々の生活空間にあふれる電磁場の種類と量は急激に増加している。医療分野では核磁気共鳴装置(MRI)に代表される画像診断分野において定常磁場(SMF)の利用が進んでいる。近年、取得画像の高解像度化を目的としたMRIの強磁場化が国際的な流れとなっているが、一方でそれに伴う強力なSMFの生体影響評価の詳細な点が多く残されている。とりわけ酸化ストレス高感受性細胞である造血幹細胞の分化・増殖過程におけるこれら強力なSMFの影響についての報告はほとんどない。本研究では、ヒト造血幹・前駆細胞を用いて、強力なSMFの影響を血液学、分子生物学レベルで明らかにすることを目的とした。
強力なSMFを曝露させたヒト臍帯血由来造血幹・前駆細胞であるCD34陽性細胞を半固形培養法により、タンパク性生理活性因子であるサイトカインを複数組み合わせ、骨髄系細胞に分化誘導し、造血前駆細胞由来コロニー形成能を評価した。その結果、10テスラのSMF下でCD34陽性細胞を16時間曝露すると、赤血球前駆細胞と巨核球前駆細胞由来コロニー数はshamコントロールに比べそれぞれ1.72倍、1.77倍と有意な増加を示した。このとき10テスラのSMF下16時間曝露CD34陽性細胞の遺伝子発現状況を定量RT-PCRで解析した。その結果、早期造血関連遺伝子であるKIT、GATA2、RUNX1、TELや細胞周期関連遺伝子であるCDC25B、ERN1がshamコントロールに比べそれぞれの発現が有意に増加した。
本研究からヒト造血幹・前駆細胞に対する強力なSMFの長時間曝露は、赤血球・巨核球系分化を特異的に亢進させ、その関連遺伝子の発現に変動を与えることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] The promoting activity on human megakaryocytopoiesis and thrombopoiesis by liquid crystal-related compounds2009

    • 著者名/発表者名
      Rie Terasawa, et.al.
    • 雑誌名

      Biological & pharmaceutical bulletin

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exposure to a MRI-type high-strength static magnetic field stimulates megakaryocytic/erythroid hematopoiesis in CD34^+ cells from human placental and umbilical cord blood2009

    • 著者名/発表者名
      Satoru Monzen, et.al.
    • 雑誌名

      Bioelectromagnetics 30

      ページ: 280-285

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト末梢血造血前駆細胞の放射線感受性におけるNrf2の応答.2008

    • 著者名/発表者名
      加藤健吾他
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第51回大会
    • 発表場所
      福岡県北九州市
    • 年月日
      20081119-21
  • [学会発表] ヒトCD34陽性細胞の分化および遺伝子発現に強定常磁場が及ぼす作用.2008

    • 著者名/発表者名
      門前暁他
    • 学会等名
      第3回日本磁気科学会
    • 発表場所
      青森県弘前市
    • 年月日
      20081001-02
  • [学会発表] 放射線曝露ヒト造血幹細胞の造血回復に及ぼす臍帯血由来間葉系幹細胞様ストローマ細胞の関与2008

    • 著者名/発表者名
      林直樹他
    • 学会等名
      第2回東北糖鎖研究会
    • 発表場所
      青森県弘前市
    • 年月日
      20080926-27
  • [学会発表] ヒトCD34陽性細胞の分化および遺伝子発現に強定常磁場が及ぼす作用.2008

    • 著者名/発表者名
      門前暁他
    • 学会等名
      第47回日本医学放射線学会生物部会学術大会
    • 発表場所
      高知県高知市
    • 年月日
      20080620-21
  • [備考]

    • URL

      http://db.jm.hirosaki-u.ac.jp/cybouz/db.exe?page=DBRecord&did=1656&qid=3132&vid=718&rid=1045&Head=&hid=&sid=4&rev=1&ssid=1-2896-3144-g63

  • [備考]

    • URL

      http://www.hs.hirosaki-u.ac.jp/~kashiwakura/result.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi