肺の非小細胞癌ではエストロゲン産生酵素であるアロマターゼとエストロゲン受容体のひとつであるestrogen receptor β(ERβ)が同時に発現していることが判明した。日本人女性の肺癌に多い組織型である腺癌には、癌の分化が高く、非浸潤性の増殖を示すbronchio-alveolar carcinoma(BAC)と浸潤性の腺癌がある。浸潤癌はより高い悪性度を示す腫瘍であるが、アロマターゼとERβの同時発現が高率に見られ、さらにERβの発現が癌の増殖能を調整している可能性があることが分かった。
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