研究概要 |
本研究では, 1) 咀嚼時の義歯床下圧力動態を生体内測定 および義歯設計が床下圧力動態に与える影響を検討 2) PET/CT画像解析にて, 義歯装着による床下顎提の骨代謝動態を解析 1)と2)を対応させることにより, 義歯装着時の負荷により生じた床下圧力分布に対応した床下骨組織反応の詳細を明らかにし, 顎提吸収を惹起する圧力, またそのような圧力を生じさせない義歯設計を検討することを目的とする. 今年度は, 予備実験としてPET撮像条件の検討を行った. その結果, 撮像時間を20分と長くすることにより, RIトレーサーNaFの投与量を1.0 mCiにまで減らした際にでも, 明瞭な画像を得ることに成功した. このことにより, 全3回の撮像で, 総被爆線量は, 公衆の特殊な条件下における線量限度5mSV/年(ICRP 1990年勧告Pub. 60)以内におさめられることが確認された. さらに、義歯粘膜面に加わる圧力の多点同時測定を行うために, シート型触覚センサを義歯粘膜面に貼付して, 生体内にて床下圧力分布をリアルタイム測定する手法を確立している. 現在, 研究の主旨・内容について十分に説明をし, 同意の得られた被験者において実験義歯を製作中であり, 次年度よりPET撮像を開始する予定である.
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