研究概要 |
骨組織の発生・維持に重要な因子であるCCN2遺伝子を欠損させたマウス(CCN2ノックアウトマウス)を用いて、骨組織を形成する細胞の分化制御とメカニカルストレス応答にけるCCN2および関連タンパク質の機能を解析することを目的として研究を行った。昨年度に引き続き、類似あるいは相反する機能を持つと考えられている他のCCN familyタンパク質の機能について、骨芽細胞を用いて解析した。その結果、in vivoでは分化段階の早期にCCN3が分布し、次いでCCN1,2が見られこの2つは幼弱骨細胞にも分布していた。そしてCCN4,5は成熟した骨細胞にも分布していることが分かった。in vitroでも、分化誘導を行った骨芽細胞においてCCNファミリー遺伝子は各メンバーがそれぞれ特徴的な発現パターンを示していた。さらにメンバーの機能を解析するために骨芽細胞の増殖、アルカリフォスファターゼ活性を指標とした分化、石灰化への作用を解析して1報を投稿準備中である。さらに、CCN2欠損骨芽細胞をin vitroで分化誘導を行うと、CCN3,CCN4の発現量が野生型骨芽細胞に比較して増加していることが分かった。そこで、CCN4の発現について解析したところ、CCN4タンパク質は骨芽細胞、軟骨細胞など主に骨組織に分布しており、その組織特異的発現に関与している3'非翻訳領域による転写後調節機構を解析して1報を投稿準備中である。また、完全欠損マウスの解析に加え、ヘテロ欠損マウスのメカニカルストレス応答について、膝関節部、歯の移動実験後の上顎骨を用い、マイクロCTにて解析を行っている。
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