発達障害児が地域で療養・生活を行う機会が増加し、児を取り巻く家族の内あるいは外(主に管轄行政への働きかけ等)のエンパワメントは非常に重要な課題となっている。 地域における上記の"家族エンパワメント"高めることが児にとっての質の高い在宅ケアを確保するため必要不可欠であるが、日本において現在、"家族エンパワメント"を測定する手段がない。 本研究では、Koren(1992)が開発したFamily Empowerment Scale(以下、FES)の日本語版を作成し、地域で障害児を療育する家族を対象にして日本語版FESの開発および尺度の有用性(信頼性および妥当性)の検証をおこなうべく、以下のことを遂行した。1.平成20年11月までに、FES原版の邦訳およびバックトランスレーションを完成させ、原著者Korenと、両版の表現のニュアンス等を含め、細部まで各項目の質問内容の妥当性を確認した。2.平成20年10月に、筑波大学医の倫理委員会へ本研究計画書を申請し、11月に審査を受け、12月に承認された。3.倫理委員会承認後、FES日本語版のプレテストを経て、現在、東京・つくば・水戸の3つの医療機関(外来)における本調査に移行しており、平成21年2月末現在で13施設で計110部ほどの調査票が回収されている。
|