研究概要 |
本研究の目的は、不妊治療によって妊娠し早産した母親の出産後からNICU退院後に育児する各時期のわが子についての認識の変化を明らかにすることである。平成20年度は(1)文献検討,(2)調査実施体制作り,(3)事前調査及び半構成的面接ガイドの作成,(4)本調査の実施を行った。 (1)文献検討では、早産児に対する育児負担の現状、育児負担感に関連する要因、さらに不妊治療による妊娠から出生した子どもの成長発達における特徴等について把握した。次に(2)調査実施体制作りでは、文献検討によりさらに深めて作成した研究計画書にて、研究者の所属する倫理審査委員会及び、調査施設の倫理委員会の承認を得た。また、調査施設のNICU・GCUおよび未熟児外来での研修を行い、早産した母親への早産した傷つきから立ち直る過程や愛着形成の時期及び育児を行う時期における、看護援助の実際を学び、母親のわが子についての認識を理解した。(3)事前調査では、研究者が実際にNICU・GCU及び外来で、5名の母親に対するプレテストを行い、面接ガイドの改良を行った。また、調査を実施するにあたり、NICU・GCU及び外来の看護スタッフ等の研究に対する理解と協力が必要であると考えられ、協力をいただき調査内容や方法等について話し合いを重ねた。平成21年3月から(4)本調査の実施を行い、合計4名の母親に調査を実施した。 平成21年度も引き続き本調査を実施し、不妊治療によって妊娠し早産した母親のわが子についての認識の観点から分析を行い、得られた結果を統合し、母子の関係づくりを促す看護援助を考察する。また、看護スタッフ等への結果報告・討議および学会等への成果発表を行う予定である。
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