研究課題
(1)腫瘍リンパ管のリンパ管内皮細胞間接着の評価(1)同所移植モデルでの検討:ヒト胃癌細胞OCUM-2MLNのヌードマウス同所移植モデルを用いて、経時的に癌細胞のリンパ管侵襲と腫瘍リンパ管の構造を評価した。このモデルにおいて癌細胞は移植2週日という早期からリンパ管侵襲および近傍のリンパ節へと転移していることが確認できた(移植1週日にはこれらは認めない)。そこで移植1週目と2週日との間にリンパ管の形態学的な変化を認めないかと、各種接着分子の分布を調べたが明確な差を見出すことができず、このモデルを使用しての評価は困難であることがわかった。(2)横隔膜モデルでの検討:(1)の結果をうけ、下記横隔膜モデルを用いてリンパ管の構造を評価することを試みた。催炎剤をマウスの腹腔に注入し腹膜炎を惹起したときの横隔膜に存在するリンパ管の構造を、免疫組織化学および走査電顕により評価したところ、炎症時にはストーマ(リンパ管起始部と考えられている構造)が著明に開大することが明らかになるとともに、この評価法が十分評価に耐えることが分かった。現在、癌性腹膜炎時のリンパ管構造について評価を進めている段階である。(3)新規モデルの導入:リンパ管の細胞間接着をより直接的に観察するために、蛍光蛋白標識したヒトリンパ管内皮細胞をspheroidの状態にしてSCIDマウスに移植し、形成されるリンパ管網を蛍光顕微鏡下でin vivoに可視化するモデルを立ち上げており、今年度はほぼセットアップまで終了した。(2)リンパ管内皮細胞間接着に影響する因子の特定上記横隔膜モデル、新規モデルを用いて特定を進めている段階である。
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Blood 111
ページ: 4571-4579
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