研究概要 |
1. exon skipping活性の検討 TDP-43の既知の機能としてCFTR(Cystic Fibrosis Transmembrane conductance Regulator)遺伝子exon9の上流intron内の(TG)nの異常伸長配列をTDP-43が認識して,exon9をskipさせる活性がある.CFTR遺伝子のexon9をSMN(Survival of Motor Neuron)遺伝子のexon6とexon8で人工的に挟んだミニジーンをレポーターとして用い,7種のALS関連変異TDP43(G290A,G298S,A315T,M337V,Q343R,A382T,Q331K)をCOS7細胞にco-transfectionし,ミニジーンの転写産物をRT-PCRで検出することによりexon skipping assayを行った.いずれの疾患変異も,野生型と同様のexon skipping活性を有しており,exon skipの効率も野生型と変異型で違いはなかった. 2. C末断片化TDP-43の形成率の検討 ALS病理組織では,神経細胞の細胞質に凝集したTDP-43はN末が切れC末の断片化蛋白で構成されていると報告されている.そのため,上記の疾患関連変異を含む14種の変異型TDP-43の全長型をC6細胞に一過性発現し,SDS分画を回収して,western blotによりC末断片の形成率を検討した.この系では,全長型の43kDaのTDP-43に加え,35kDaのC末断片化TDP-43が検出された.43kDaのバンドと35kDaのバンドの比で,野生型と変異型とのC末断片化形成率を比較した.G290S,G298SはややC末断片化形成率が高い傾向を示したが,有意な差は認めなかった.またその他の変異や野生型と同程度であった.
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