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2009 年度 実績報告書

血栓溶解療法と新規神経保護薬リチウム

研究課題

研究課題/領域番号 20890072
研究機関新潟大学

研究代表者

高橋 哲哉  新潟大学, 脳研究所・神経内科, 助教 (20515663)

キーワード脳梗塞 / 血栓溶解療法 / 組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA) / リチウム / 神経保護
研究概要

本研究は脳卒中に対する治療を念頭に置き、新規神経保護薬としてのリチウムの効果を検討した。リチウムはその作用機序より脳梗塞急性期の血栓溶解療法として用いられる組織プラスミノーゲン・アクテベーター(t-PA)の神経傷害作用を軽減すると予想され、またアポトーシス抑制により神経保護的に作用すると考えられる。
このリチウムによる治療効果を示すためには従来広く用いられているものよりも臨床に近い動物モデルが必要となる。このため自家血栓を用いたラット脳塞栓モデルおよび、このモデルに対するt-PAの治療効果と出血性合併症を安定して再現することが前提としで必要であった。虚血時間、自家血栓の量、t-PA投与量など様々な条件設定の最適化を行った結果、自家血栓による安定した梗塞体積が得られた。さらにt-PAの脳虚血2時間後の投与で血栓溶解による梗塞体積の縮小効果を示し、また脳虚血4時間後のt-PA投与では出血性合併症の増加と死亡率の増加を示すという、きわめてヒトの脳塞栓症に対してのt-PAの治療効果と副作用をよく再現するモデルの作成に成功した。このような動物モデルは手技上の難しさから未だ使われる報告は少なく、本モデルの確立は今後の本研究、ないし異なる薬剤を標的とした研究を行うにあたり大きな優位点と考えている。
引き続き本モデル動物を使用し、炭酸リチウムの腹腔内投与を行い神経保護作用について現在検討中である。
また、モデルの作成と平行し、従来から用いられているラット中大脳動脈遠位閉塞モデルを使用し、リチウムの作用機序の1つとされるAkt経路について検討し、2009年米国神経学会で発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Changes in protein levels of phosphorylated Akt and GSK 3 beta may not contribute to the protection of Lithium against focal ischemia in rats2009

    • 著者名/発表者名
      高橋哲哉
    • 学会等名
      米国神経学会
    • 発表場所
      Washington State Convention Center
    • 年月日
      2009-04-29

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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