• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

B-1細胞の恒常性の維持と免疫疾患におけるIL-5の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20890080
研究機関富山大学

研究代表者

生谷 尚士  富山大学, 医学薬学研究部(医学), 助教 (40513718)

キーワード免疫学 / 細胞・組織
研究概要

本研究の目的は腹腔内IL-5産生細胞の同定とIL-5に制御されるB-1細胞が関与する免疫疾患の予防や治療法開発の基盤を得ることである。初年度の研究から腹腔において少なくとも2種類の免疫担当細胞がIL-5を産生しており、一つはCD3_ε陽性CD4陽性のヘルパーT細胞であることが判明した。今年度にはもう一方の細胞の表面抗原をフローサイトメトリーで解析した結果、幼若な細胞に発現するc-kitを発現していることが明らかとなった。研究に汎用される2種類のマウスストレイン(C57BL/6とBALB/c)を用いてIL-5産生細胞を検出した結果、これらのマウスでIL-5産生細胞の割合が大きく異なっていた。C57BL/6ではc-kit陽性細胞が、BALB/cではヘルパーT細胞が主要なIL-5産生細胞であり、BALB/cにおいてはIL-5産生の亢進が観察された。BALB/cマウスはアレルギー応答がC57BL/6に比べ増悪していること、遅延型アレルギー疾患の一種である接触性皮膚過敏症はB-1細胞が産生する抗原特異的イムノグロブリンMにより炎症反応が惹起されることから、BALB/cマウスではB-1細胞が増加していると予測された。BALB/cマウスの腹腔細胞の解析ではC57BL/6マウスの約3倍のB-1細胞が観察され、B-1細胞のIL-5応答性も亢進していた。さらには抗原特異的B-1細胞の増加も認められた。これらの結果から、BALB/cマウスにおける接触性皮膚過敏症の増悪は腹腔でのIL-5産生細胞と産生量の違いから生じるB-1細胞の増加が一因ではないかと思われる。この結果はヒトのアレルギー応答への感受性の違いを説明できる可能性もあり、臨床応用の観点からも極めて興味深い研究成果である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of IL-5Ralpha on B-1 cell progenitors in mouse fetal liver and involvement of Bruton's tyrosine kinase in their development2009

    • 著者名/発表者名
      Kouro T, et al.
    • 雑誌名

      Immunology Letters 123

      ページ: 169-178

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アレルギーをめぐるトレンド ; B-1細胞2009

    • 著者名/発表者名
      高津聖志、生谷尚士、板倉敦子
    • 雑誌名

      皮膚アレルギーフロンティア 7

      ページ: 120-122

  • [学会発表] Characterization of IL-5-Producing Cells and Analysis of Their Activity2009

    • 著者名/発表者名
      生谷尚士
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-10
  • [学会発表] Characterization of IL-5-Producing Cells in the Peritoneal Cavity2009

    • 著者名/発表者名
      生谷尚士
    • 学会等名
      日本免疫学会総会・学術総会記録
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2009-12-02
  • [産業財産権] トランスジェニック非ヒト哺乳動物およびその利用2009

    • 発明者名
      高津聖志 生谷尚士 高木智
    • 権利者名
      富山大学 国立国際医療研究センター
    • 産業財産権番号
      特許、特願2009-177159
    • 出願年月日
      2009-07-30

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi