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2009 年度 研究成果報告書

色素幹細胞のゲノム損傷応答から明らかにするメラノーマ発生機序の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 20890084
研究種目

若手研究(スタートアップ)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関金沢大学

研究代表者

青戸 隆博  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90457599)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
キーワード幹細胞 / 皮膚 / 細胞分化 / DNA損傷応答 / 白髪
研究概要

これまでに加齢に伴い色素幹細胞ニッシェにおいて、本来なら毛母に存在するはずの分化した色素を含んだ細胞が異所性に出現しており、常に白髪に先だっていたことを見出していたが、内在性のゲノム修復応答異常を呈するマウスでは若齢時や低線量放射線照射時においても同様にメラニン色素を沈着した分化した細胞群が色素幹細胞ニッシェ出現することを見出した。また活性酸素などの腫瘍の発生や維持に関与すると考えられるゲノム損傷刺激が同様に若齢時マウスにメラニン色素を持つ分化した細胞群を幹細胞ニッシェに誘導できることがわかった。このときDNA損傷のマーカーであるγ-H2AXフォーカスや癌抑制遺伝子であるATMの活性化などが幹細胞で認められたことから、色素幹細胞においてはDNA損傷応答と細胞の分化プログラムは未知の分子機構により密接にリンクしていることを意味する。これらは、加齢に伴うゲノム損傷と癌抑制遺伝子群の活性化が色素幹細胞の性質変化をもたらす要因であることを強く示唆し、また通常幹細胞しか存在しないはずのニッシェにおいても、ゲノム障害は幹細胞の自己複製に破綻もしくは機能異常をもたらすことで幹細胞システム全体の調節に影響することを示唆するものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Genotoxic stress abrogates renewal of melanocyte stem cells by triggering their differentiation2009

    • 著者名/発表者名
      Inomata K, Aoto T, Binh NT, Okamoto N, Tanimura S, Wakayama T, Iseki S, Hara E, Masunaga T, Shimizu H, Nishimura EK.
    • 雑誌名

      Cell 137

      ページ: 1088-1099

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Polycomb group protein-associated chromatin is reproduced in post-mitotic G1 phase and is required for Sphase progression2008

    • 著者名/発表者名
      Aoto T, Saitoh N, Sakamoto Y, Watanabe S, Nakao M
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 283

      ページ: 18905-18915

    • 査読あり
  • [学会発表] ゲノム損傷ストレスによる色素幹細胞の自己複製阻害機構についての解析2009

    • 著者名/発表者名
      猪又顕, 青戸隆博, 発表者, 他
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神奈川・横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] Genotoxic stress induces hair graying through melanocyte stem cell differentiation in the niche2009

    • 著者名/発表者名
      Ken Inomata, 発表者, Takahiro Aoto, et al.
    • 学会等名
      日本研究皮膚科学会 第34回年次学術大会
    • 発表場所
      福岡・博多
    • 年月日
      2009-12-04
  • [学会発表] Genotoxic stress abrogates renewal of melanocyte stem cells by triggering their differentiation2009

    • 著者名/発表者名
      Ken Inomata, Takahiro Aoto, 発表者, et al.
    • 学会等名
      第7回幹細胞シンポジウム
    • 発表場所
      東京・港区
    • 年月日
      2009-05-16
  • [備考] ホームページ等

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/mri/scm/index.html

  • [産業財産権] 色素幹細胞の未分化性維持促進剤2009

    • 発明者名
      西村栄美, 青戸隆博, 猪又顕
    • 権利者名
      西村栄美, 青戸隆博, 猪又顕
    • 産業財産権番号
      特願2009-244447
    • 出願年月日
      2009-10-23

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公開日: 2011-06-18   更新日: 2016-04-21  

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