薬剤耐性マーカーと誘導型のNpt2a遺伝子を同一のベクターに組み込むことで、細胞への形質転換後の薬剤耐性細胞の獲得と、細胞継代維持期間中はNpt2a遺伝子の発現を限りなく抑えることが可能となったため、Npt2aの過剰発現が原因と推定される細胞死を輸送体機能解析する直前まで回避できるようになった。Npt2a遺伝子にはそのN末端にGFPを融合させた融合タンパク質も解析に用いるため、細胞生存下でのNpt2aのトラフィッキングが可能となり、安定発現体による誘導発現のため、再現性のある機能解析が可能となった。安定発現体を作成することによりSlc34a1のWt、A499V、V582M、DMの発現をリアルタイムで観察した結果、Wt及びV528Mの発現は確認できたがA499VとDMの発現は一切確認できなかった。RT-PCRの結果ではmRNAの発現はいずれの変異体発現細胞において同程度に確認できているため転写後の翻訳過程においてA499Vを含む変異体は安定したタンパクとなることができないことが証明された。
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