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2009 年度 実績報告書

血栓溶解療法時における低体温療法併用の有用性

研究課題

研究課題/領域番号 20890103
研究機関三重大学

研究代表者

矢田 健一郎  三重大学, 大学院・医学系研究科, 産学官連携研究員 (40467361)

キーワード血栓溶解療法 / 低体温療法 / 血液脳関門 / 微小循環障害 / 白血球rolling / 白血球adhesion / 二光子レーザー顕微鏡
研究概要

本研究は、脳梗塞・血栓溶解療法時における低体温療法の有用性を検討する研究である。Tissue Plasminogen Activater(t-PA)を用いた血栓溶解療法に際し、出血性脳梗塞が問題となるが、血液脳関門保護の観点から、低体温併用療法の有用性が期待される。
本年度は、t-PA投与前後、また低体温療法併用時の脳血液関門、白血球、血小板の状態を二光子顕微鏡を用いてin vivoでreal timeに評価を行った。Green Mouseを用いて、左内頚動脈を閉塞させ、体温を33度または37度にコントロールし、t-PAまたは生食を静脈内投与した。静脈内にTexRed labeling Dextranを投与することによりVelocityを測定、またDextranの血管外漏出の程度から血液脳関門障害を評価した。
体温37度+生食投与群のマウスでは、内頚動脈閉塞により末梢の中大脳動脈領域のVelocityは約20%程度まで低下、またvelocity低下直後から、白血球のRollingとAdhesionが確認された。体温33度+生食投与群では、velocityは同様に20%程度まで低下したが、白血球のRollingとAdhesionは著明に抑制された。体温33度+t-PA投与群でも同様に白血球のRollingとAdhesionは著明に抑制されていた。Dextranの血管外漏出の程度に関しては、体温37度+t-PA投与群>体温37度+生食>体温33度+t-PA>体温33度+生食群の順であり、t-PA投与により、血管外漏出が著明となること、また、低体温を併用することにより、この血管外漏出が抑制されることが確認された。
低体温療法には、脳血液関門の保護効果が期待できる結果であった。そのメカニズムの一部として白血球の活性を抑制しているこことが考えられた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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