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2008 年度 実績報告書

アポトーシス細胞のホスファチジルセリン露呈機構

研究課題

研究課題/領域番号 20890109
研究機関京都大学

研究代表者

鈴木 淳  京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (30511894)

キーワードホスファチジルセリン / カルシウム / イオノフォア / Maleimide / Inside-out vesicle / ATP
研究概要

赤血球細胞膜を用いて、細胞膜リン脂質の非対称性を試験管内で再構築することを目的とした。具体的には、研究実施計画に記載した通り、Birchmeier et al (1979, J Biol Chem)によって報告された、細胞膜の表裏が反転したInside-out vesicleを作成することを試みた。色々と条件を改良しBirchmeier et alの実験を追試したが再現できないことが分かった。そこでアプローチを変えて、申請書に記載した通り「システイン残基を修飾するMaleimide」を用いた実験系を構築することにした。細胞をMaleimideで処理すると、15分以内に細胞表面にホスファチジルセリン(PS)が露呈する。この時、細胞外カルシウムが無くとも細胞内カルシウムがPSの露呈に関与することが分かった。一方で、細胞外にカルシウムが存在する条件下においてMaleimideで処理したところ、無い条件と比較して、より速くPSを露呈することが分かった。次に細胞内ATP量を調べたところ、Maleimideで処理すると15分程度で細胞内ATP量は激減することが分かった。そこで、ATPの減少がPSの露呈に必要とされるか調べるために、ATPのレベルを変化させずカルシウムの流入を起こすカルシウムイオノフォアを用いて実験した。細胞外にカルシウムが存在すると、細胞はネクローシス様の細胞死を起こしたが、細胞外にカルシウムが無い条件では、細胞内カルシウムを用いて速やかにPSが露呈することが分かった。以上の結果は、細胞内カルシウムの上昇によってPSが露呈することを明確に示しており、カルシウムに特化してPS露呈を検出する実験系を確立したことに意義があると考える。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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