研究概要 |
1,IL-1βとインテグリンαvβ3との結合の検討 結合分析(binding assay)により、リコンビナントαvβ3がIL-1βに直接結合することを明らかにした。また、接着アッセイ(adhesion assay)により、αvβ3を強発現したK562細胞がIL-1βでcoatingされたplateに接着することを示した。 2,インテグリン非結合IL-1β変異体の作成と精製 QuickChange法にて、IL-1βに点突然変異を1〜3箇所導入し、それぞれpGEX-2Tベクターへサブクローンした。そして、野生型及び変異体のIL-1βを含むベクターをE cohi BL21に発現させ、タンパクをグルタチオンアフィニティークロマトグラフィーにて精製した。そしてエンドトキシン除去後、GSTタグをthrombin処理にて取り除き、ヘパリンセファロースカラムにてさらに精製してタンパク(野生型及び変異体IL-1β)を回収した。 3,インテグリン非結合IL-1β変異体の分析 作成した複数の変異体のうちのいくつかはIL-1βとは結合しないことを結合分析にて確認した。 4,インテグリン非結合IL-1β変異体の生理活性の検討 作成した野生型及び変異体IL-1βをヒトリウマチ滑膜細胞株に反応させて、IL-6 mRNAの誘導能及びMAPKの活性化の程度を検討した。野生型IL-1βは、IL-6 mRNAを誘導し、MAPKを活性化したが、インテグリンに結合しない変異体のうちのいくつかはどちらも誘導しないことを明らかにした。
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