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2008 年度 実績報告書

KLEIPの発癌機構における役割についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 20890145
研究機関山口大学

研究代表者

原 貴彦  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70511715)

キーワード癌 / 細胞・組織 / 蛋白質
研究概要

われわれは、Kelch-like ECT2 binding protein(KLEIP)を単離し、KLEIPがMDCK細胞において細胞接着に関与していることを見出した。これまで、癌におけるKLEIPの役割は未だ検討されていない。
そこで、われわれは膀胱癌におけるKLEIPの発現を、免疫組織学的手法を用いて検討した。まず、代表的な膀胱癌細胞株(T24,EJ-1,TCC-SUP,KK-47,ScaBER)のKLEIPの発現について免疫蛍光法で検討した。調べた5個の細胞株すべてにKLEIPは発現していた。KLEIPは細胞質内に存在しており、その染色パターンは、輝度の高いスポットが細胞質内に点在する特徴的なパターンとして認められた。
膀胱正常組織と膀胱癌との間で、抗KLEIP抗体を用いた免疫組織学的染色法でKLEIPの発現量を検討した。膀胱癌患者16例より得られたTUR標本32検体(正常組織10検体、細胞異型1例、膀胱癌21例)について調べた。膀胱癌の背景は、Grode別に、G1:1例、G2:9例、G3:11例で、Stage別では、pTa:10例、pT1:5例、pT2以上:4例であった。すべての正常組織ではKLEIPの染色は陰性であったが、膀胱癌組織ではすべて陽性であった。膀胱癌組織では、KLEIP染色の強度は症例により差があった。KLEIP染色において強陽性を示す症例(6例)はすべて悪性度の高い(G3)の症例であった。この結果は、KLEIPの発現量は膀胱正常組織と癌組織では差があり、KLEIPは膀胱癌の発癌に何らかの関与があること、また癌の悪性度と相関がある可能性を示している。また、抗KLEIP抗体による免疫染色法は膀胱癌診断、悪性度判定の新しいツールとして有用であると期待された。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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