<研究の目的>本研究は、クリティカルケア領域の患者に対しより適切で安楽な方法で深部静脈血栓症の予防を行うべく、間歇的空気圧迫法・弾性ストッキング・下腿マッサージの3者における予防効果を検証し、患者に与える心理的・神経的負担の程度を明らかにするものである。このことから患者の身体的状況だけでなく心理面を考慮した看護ケアの提供につながると考える。 <研究実績の概要>1)H20.9〜H20.12:実験準備として論文検討を重ね、海外・国内の最近の深部静脈血栓症に関する状況を詳細に把握した。2004年のガイドライン策定後からの看護研究の報告数は増加しており、その多くは教育に関するものが多いことがわかった。介入を行った臨床研究は少なく、一方で合併症や患者の心理に関する報告があり、予防策を画一的に実施できない状況が明らかとなった。また評価項目については、画像診断技術向上に努め、凝固系の評価項目として、深部静脈血栓症のスクリーニングにおいて近年国内で注目されているD-dimer及び可溶性フィブリン(SF)を採用することとした。2)H21.1〜H21.3:クリティカルケア領域の患者に対し実施する評価項目の妥当性の検討のため、国内で深部静脈血栓症のリスクが高くなると報告されている40代の健常な女性16名を対象にRCTを行った。血流・凝固系への影響では、下腿マッサージにおいても間歇的空気圧迫法と同様の効果が得られた。また心理的影響においては、下腿マッサージにおいて「安心する」「リラックスできすぐに入眠できた」などの回答があった.
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