研究概要 |
炭酸カルシウム懸濁液にポリウレタンフォームを浸漬後、炭酸基の遊離を防止するために焼成温度の低下を目的として反応焼結を行った。すなわち、粉液比1.0に調重宝した水酸化カルシウム懸濁液に、ポリウレタンフォームを浸漬し、水酸化カルシウムでポリウレタン表面を被覆したフォームを得た。乾燥後、所定の温度まで昇温させ、6時関係留後、室温まで管状炉内で徐冷した。なお、炭酸化とともにポリウレタンの焼却を昌的として酸素・炭酸ガス雰囲気下(O_2 20ml/m in,co_2 250ml/m 血)での反応焼結とした。得られた炭酸カルシウムフオ}ムを60℃、1mo1/1リン酸水素ニナトリウム水溶液に2週間浸漬した。分析としては粉末X線回折、赤外線吸光分析、圧縮試験、CHN分析、走査型電子顕微鏡観察を行った。 炭酸ガス酸索雰囲気下での焼結により得られたフォームの組成は炭酸カルシウムであった。このことから、炭酸ガスー酸素雰囲気下における焼結が低温でのポリウレタンの効率的な焼却と水酸化カルシウムの炭酸化促進、高温時では炭酸基の遊離を抑制することを可能にしたと考えられる。また、いずれの焼結温度で焼結した炭酸カルシウムフォームも、リン酸塩処理後には組成がアパタイトになることがわかった。また、赤外線吸光分析およびCHN分析により、炭酸基を約12wt%含有する炭酸アパタイトが形成されていることがわかった。このフォーム最大の圧縮強さは25kPaであり、さらに多数回浸漬を行うことにより機械的性質の著しい向上が認められた。本研究から炭酸カルシウムフォームの作製には炭酸ガス酸素雰囲気下での反応焼結法が効果的であり、これをリン酸塩処理することにより炭酸アパタイトフォームの機械的性質をしく向上させることが可能であることが示された。また、コラーゲンとの複合化を行った。
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