研究概要 |
【実験材料】新鮮な成牛後肢大腿骨内顆の関節軟骨を実験材料として用いた。大腿骨内顆関節面を後面から前面に5分割し荷重部、非荷重部、移行部をそれぞれ確認し、それぞれの部位より軟骨および海綿骨を一塊として、直径約8mmの円柱状に摘出し、これを試料とした。 【変性モデルの作成】摘出した試料をプロテオグリカン減少モデルとしてTrypsin処置を、コラーゲン減少モデルとしてCollagenase処置を、変性初期モデルとしてTrypsinおよびCollagenase処置を下記の要領で行い、各モデルを作成した。 Trypsin処置:試料をtrypsin (1.1mg/10mL, Dulbecco's PBS)溶液中に24時間、37℃で漬け、プロテオグリカン減少モデルを作成した。 Collagenase処置:試料をcollagenase (70units/mL)溶液中に36時間、37℃で漬け、コラーゲン変性モデルを作成した。 Trypsin + collagenase処置:試料をtrypsinで処置後collagenaseでさらに処置した変性初期モデルを作成する。 collagenaseおよびtrypsin投与量を変化させ、最適な関節軟骨変性モデルを作成した。 また、本年度においてNMR実験装置で使用できる圧迫試験器を作成した。本研究には変性関節軟骨および圧迫試験器が重要であり、本年度の結果は次年度の研究のための準備段階である。
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