研究概要 |
本研究では、大量小腸切除後、完全静脈栄養(TPN)管理下の短腸症候群モデルにおいてボンベシンがbacterial translocation (BT)を抑制する作用があるか、及びその作用が肝障害の程度を軽減させる効果を持つか検討することを目的とした。 平成20年度においては、Lewis ratを用いて小腸80%大量切除し、同時に頚静脈より中心静脈カテーテルを挿入しTPN管理とする短腸症候群モデルを作成し、ボンベシン投与群、非投与群に分け、比較検討することが目的であったが、ラットの中心静脈カテーテル管理に難渋している。TPN管理ではないラット小腸大量切除モデルでのボンベシン投与群・非投与群の比較検討では、ボンベシン投与群の方が、体重減少が抑えられ、腸管粘膜上皮の増生も認め、またサイトカイン(IL-6,TNF-α)の発現も抑えられている。TPNモデルにおいても同様の結果が予想さるため、中心静脈カテーテル管理を安定化させることが現在の最も重要な課題である。現在我々が治療に難渋しているTPN管理下の短腸症候群患児達と同様のモデル作成を完成させ臨床に応用したい。
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