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2009 年度 実績報告書

化学物質過敏症患者の生活上の困難と空気質分析による保健指導に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20890213
研究機関群馬パース大学

研究代表者

鈴木 珠水  群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (80458471)

キーワード化学物質過敏 / シックハウス / 看護支援 / 揮発性化学物質 / 室内空気質 / 室外空気質 / 精密空気測定 / アクティブ法
研究概要

この研究課題に着手した経緯は、(1) 誰しもMCSを発症するリスクを持っているという点、(2) 既に発症し過酷な状況で苦しむMCS患者は、日常生活上の化学物質を極力回避し、解毒を実践しているが、それだけでは症状は抑制できない点、の2点からである。
この課題に対し、看護の立場からの支援活動が僅かであり、空気質に着目した環境衛生的健指導の必要性を感じた。MCS患者に聞き取り調査と居宅の空気質を分析することにより、原因物質を解明し、MCS患者が実行可能な範囲内での効果的な支援を明らかにすることを目的とした。これまでの成果として、対象者の聞き取りとコストがかかるがデータ信頼性が極めて高いアクティブ法による精密空気質測定を行い分析したところ、予想以上に問題が複雑であることが明らかとなった。対象者は室内外の空気質いかんで、症状悪化だけでなく、行動半径まで制限され、食事・水などの制限も余儀なくされており、医学的問題と、社会生活困難の2つの軸で苦しんでいた。治療や食生活、生活必需品の見直し、リフォームなどの自己努力の範疇で調整している一方で、室外空気質は個人での調整は不可能であるという問題が明らかになった。劣悪な室外空気エリアに居住するMCS患者には、空気質測定結果をふまえて、リフォームで室内空気質を調整しても、外気が悪すぎる点を指摘し、引越しの検討提案するが、経済的理由により実現できていない。発想転換すれば、外気を改善するのが、この患者のQOLを高め、一方、他の人々の健康障害のリスクを回避する点でも最重要であると言える。また、研究対象者たちは、社会のMCS認知、認識が低いことを指摘し苦しんでいた。保健医療従事者はこれらの温度差や溝を埋めるべく、啓蒙、指導を進めていく必要性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] シックハウス症候群および/または化学物質過敏症患者の健康状態の変化と住居改善2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木珠水
    • 学会等名
      室内環境学会
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府)
    • 年月日
      2009-12-14
  • [学会発表] 化学物質過敏症スクリーニングQEESIを用いた研究の分析2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木珠水
    • 学会等名
      日本難病看護学会
    • 発表場所
      前橋テルサ(群馬県)
    • 年月日
      2009-08-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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