本研究は、新卒看護師の職業支援を促進するプログラムの開発と臨床への適用を主要な目的としている。当該年度は、これまでの先行研究および予備研究により、新卒看護師の職業支援プログラムを作成した。また来年度プログラムの評価に向け、新卒看護師の離職率の高い対象病院でのヒアリングを実施し、対象病院の現状を踏まえ実践可能な形式に、研究計画の修正を行った。さらに、研究枠組みの再構築と、概念の精選、説明モデルの理論化が終了した。このため、当該年度において、理論と実践の両者を基盤とした職業支援プログラムが開発されている。具体的には、プログラムは、社会認知理論を活用し、新卒看護師の自己効力感を支援するために、新卒看護師の職業継続に関わる不安・知識・スキルに介入援助を実施する。そのために、3回/年の介入を計画している。その前後4回/年に、プログラムの評価を、分析枠組みに則り、同様の質問紙を用いて実施する予定である。この縦断的質問紙調査では、プログラムの評価とともに、職業継続のプロセスが明らかになると考えられる。平成21年度は4月より、離職率の高い(18%以上)病院での実践を予定している。介入・調査における対象施設との調整も当該年度に実施しており、平成21年度の介入・評価において、本研究の目的を達成すると考えられる。
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