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2009 年度 実績報告書

哺乳類の横隔膜獲得プロセスに関する進化発生学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20890228
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

辰巳 徳史  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60514528)

キーワード横隔膜 / 進化学 / 筋芽細胞 / 発生生物学
研究概要

我々はPax3-CreマウスとCag-Cat-GFPマウスを掛け合わせて得られた体節細胞が標識された胚の切片を作製し観察を行った。その結果、2-5体節体節由来の筋芽細胞はE10.5から横隔膜の領域に移動を開始し、E14.5には筋芽細胞が横隔膜全域に広がっている様子が観察された。また今回の観察結果より、前肢後方部の8-12体節領域の細胞も側方向から横隔膜に移動している様な組織像が認められた。これらの結果より、横隔膜を形成する筋芽細胞は2つの領域の体節(頸部と腹部)より横隔膜に移動している事が明らかになった。先天性疾患である横隔膜ヘルニアには側方部の欠損、背側中央部の欠損などがある事が知られており、今回明らかになった2カ所からの筋芽細胞の移動がこの疾患のタイプの違いに関連している可能性が考えられた。
我々は更にこのGFP標識されたマウスの体節をニワトリ胚に移植し、両種間における体節の移動の違いを検証した。その結果、移植された体節の細胞はニワトリ胚の中で生着し、昨年明らかになったニワトリ胚の体節標識実験と同様な移動経路をたどり、心臓と肝臓の間に向かう様子が観察された。この結果から、マウスの体節の移動経路とニワトリの体節の移動経路にはほとんど差が無く、両種間で保存された機構である事が考えられた。これらの結果より、横隔膜を持つ哺乳類の体節細胞は筋肉へと分化を行うが、ニワトリでは起こらないため哺乳類が独自に横隔膜領域で体節由来の細胞を筋肉に分化させる機構を獲得したことが、横隔膜獲得に繋がったのではないかと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] An approach for analysis of acquisition mechanism of diaphragm2009

    • 著者名/発表者名
      辰巳徳史
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-10
  • [学会発表] Comparison of diaphragm development between mouse and chicken embryo2009

    • 著者名/発表者名
      辰巳徳史
    • 学会等名
      16th International Society of Developmental Biologists Congress, 2009
    • 発表場所
      Edinburgh international conference center Scotland, UK
    • 年月日
      2009-09-09
  • [学会発表] Gene marker analysis to identify tissues related to diaphragm development.2009

    • 著者名/発表者名
      辰巳徳史
    • 学会等名
      第27回日本ヒト細胞学会
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学大学1館
    • 年月日
      2009-08-22
  • [学会発表] Comparative developmental anatomy of the diaphragm in mouse and chick embryo2009

    • 著者名/発表者名
      辰巳徳史
    • 学会等名
      第42回日本発生生物学会
    • 発表場所
      朱鷺メソセ:新潟コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-05-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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