われわれは、APC^<Min/+>マウスを用いて、小腸上皮の悪性化に伴う血管やリンパ管の新生パターンがどの様に変化するのかを解析した。小腸上皮が腫瘍化していく段階で良性腫瘍(腺腫)においては、新生血管は著しく形態的変化を認め、密度を増し、基底膜の不安定化が起こっていた。微細構造では、絨毛先端の血管の内腔表面に微絨毛様の突起が出現するなどの変化が認められた。腫瘍が悪性化するにつれて、新生血管は、さらに著しく異型性を伴い、リンパ管も大小不同であった。これらの結果より、上皮の悪性化に伴い、腫瘍血管の新生パターンにも段階的な変化が現れることが示唆された。
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