【目的】本研究は、一般病棟で過ごす終末期がん患者の家族が心身のエネルギー充足・維持のために行っている内容についてその実態を明らかにし、さらにその中から補完・代替医療に対するニーズを導き出すことを目的としている。【研究方法】調査対象:1.終末期がん患者(主治医により予後が6ヶ月以内であると判断されたもの)の家族(血縁・婚縁関係にあるもの)、2.患者に付き添うキーパーソンであること、3.がんに罹患していないこと、4.言語的コミュニケーションが可能であり成人であること、以上の1〜4の条件を満たすもの、15名程度に対して、記録調査及び1人1〜2回程度、1回40分程度の半構成的面接を実施する。調査内容は、1.患者および家族の身体的・精神的・社会的状況について(身体的・精神的症状、生活スタイル、職業など)2.患者に付き添う家族の思いについて(困難、辛さ、苦労、支え、喜びなど)3.家族が行っている心身のエネルギー充足のための行動について(種類、方法、効果、動機、頻度など)4.補完・代替療法に対する家族の思い・考えについて(イメージ、期待、情報源など)5.一般的背景・患者の医学的状況について(疾患の経過と現状、治療、家族背景など)である。得られたデータから、逐語録を作成し、質的・帰納的アプローチにより分析をする。現在、データ収集を実施している。しかし、対象の確保が困難のため、21年度より研究協力施設を増やし、データの補完を行い、データの整理・分析を実施する予定である。
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