本研究の目的は、がん性疼痛を体験している患者が自らの痛みに向き合い、痛みを自己コントロールする力を高める看護援助プログラムを考案することである。その内容を検討するために、実際に痛みを体験してペインクリニック科で通院治療を受けているがん患者13名を対象に、面接調査法を用いてデータ収集を行い、内容の分析を行った。その結果、痛みに対する自己コントロール力を高める援助プログラムに必要な4つの構成要素が明らかになった。それらは、(1)痛みや痛み治療についての知識、(2)痛み治療への参加の必要性の理解、(3)セルフモニタリング力の促進、(4)痛みの受け入れである。さらに、これの4つの構成要素を含む看護援助プログラムを実施する看護師の姿勢として、患者の痛みの体験を理解しようとする誠実な態度が重要であることが明らかになった。
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