本年度はWGEF遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスを作出するため、相同組み替えESクローンのスクリーニングを行った。前年度作成したターゲティングベクターをES細胞に導入し、neomycin耐性クローンを選択した。さらに組み替えによってWGEF遺伝子座にneomycin耐性遺伝子のカセットが組み込まれているクローンを3'側のWGEF遺伝子特異的プライマーとneomycin耐性遺伝子プライマーとのPCRによって確認した。800クローンのスクリーニングから、1クローンのWGEF相同組み替えクローンを得ることができた。さらに、このESクローンのゲノムPCRによって、LoxPサイトの組み込み、および5'側の組み替えが正しく行われていることを確認し、WGEFコンディショナルノックアウトアリルを持つES細胞(WGEF(flox/+))を得た。そこで、このWGEF(flox/+)ES細胞をマウス胚盤胞に微量注入し、キメラマウスの作成を試みた。しかし、このクローンからは1個体のキメラマウスが生まれたものの、2週齢で死亡したため、交配可能なキメラマウスを得ることができなかった。そこで、再度相同組み替えESクローンのスクリーニングを行い、全600クローンをスクリーニングした。2クローンの5'および3'相同組み替えクローンを得ることができたが、このうちの1クローンではloxPサイトの正しい組み替えが起こっていなかった。このため、新たに得られたWGEF(flox/+)ES細胞クローンは1クローンであった。現在、このクローンと以前のスクリーニングで得られたクローンの計2クローンのWGEF(flox/+)ES細胞をマウス胚盤胞に顕微注入し、キメラマウスの作成を試みている。
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