研究課題
各国における疫学研究により精神病様症状体験(PLEs;Psychotic-like experiences)を有する思春期児童の精神保健的予後が不良であることが示唆されている。本研究の目的は、我が国の思春期児童を対象とした縦断的疫学研究を実施し、精神病様症状体験(PLEs)を有する子どもたちの予後とそれに影響を与える要因を検討し、早期支援の糸口を見出すことである。本年度は、縦断的コホート研究を行うための調査フィールド・調査協力者の確保、および調査協力校においてベースライン調査(質問紙調査)を行った。東京都精神医学総合研究所研究倫理審査委員会にて本研究の倫理的妥当性について承認を受けた後、三重県及び東京都の調査協力校において約800名の中高生を対象に任協力要請を行い、ベースライン調査を実施した。今後、ベースライン調査で得られたデータの詳細な解析作業を進める。各PLEs関連項目に対する回答結果は、「思考を読み取られた体験」があったと回答した者が0.8%、「テレビ・ラジオからの暗号受信体験」があったと回答した者が0%、「被追跡・被盗聴体験」があったと回答した者が6.4%、「幻聴体験」があったと回答した者が10.5%であった。これらPLEsを体験している思春期児童の特徴を明らかにし、さらに一年後の追跡転機調査の結果と連結して、PLEsの体験持続性、およびそれらの体験を有する生徒の精神的不調の自覚、help-seeking行動などの詳細を今後縦断的に明らかにする。
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