研究課題/領域番号 |
20900003
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
池田 駿介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016590)
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研究分担者 |
小林 良彰 慶応義塾大学, 法学部, 教授 (40153655)
菱田 公一 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40156592)
長澤 寛道 東京大学, 大学院・農学生命科研究科, 教授 (60134508)
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キーワード | 学術団体 / 分益法人 / 学術基本法 / モデル定款 / 公益事業 / シンポジウム / アンケート調査 |
研究概要 |
法制度上に関する調査研究 一般の公益団体では、活動の成果を直接国民に周知することにより、公益に寄与することを想定するのに対し、学術団体では学術講演会などにおいて研究者間の意見交換を通じて個々の研究水準を向上させ、学術誌や学術図書発刊による公開を通じて公益に寄与するという特有の性格を有している。ここでは、20年度に明らかとなった問題の所在も踏まえて、問題解決のために、新公益法人法において学術団体を公益認定するための「学術法人の公益認定に関する法律(仮称)案」及びその基盤となる「学術基本法(仮称)案」を取りまとめた。 学術団体モデル定款案の検討 新公益法人制度の発足を受けて、一般社団法人となった学術団体が公益社団法人への移行を目指す際のモデル定款を、学術団体が固有的に有している公益性を反映することができるよう示した。すなわち、特殊民法法人から一般社団法人となった学術団体が、認定法(「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」)に基づく公益認定を受けて公益社団法人となるためには、現行取扱い上での諸改善が強く求められるが、本モデル定款案は、学術団体の行う学術講演会の開催や学術誌・学術図書刊等の諸事情が認定法の求める公益事業に当然該当するものであるという主張を前提として作成した。その際、学術団体(学会)の構成員である会員と、法人法(「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」)に規定する社員との関係から、二つの案を作成した。一つは全正会員を社員とする場合の「定款案I」、他の一つは正会員の中から選出された代議員を社員とする場合の「定款案II」である。 シンポジウムの開催 平成21年5月30日に日本学術会議において、「学協会の新公益法人制度への対応の現状と課題」と題して、シンポジウムを開催した。このシンポジウムでは、これまで行った協力学術研究団体を対象とするアンケート調査の分析結果及び海外調査について報告を行うとともに、新公益法人法対応の先行経験を積んでいる学協会から話題提供をしていただき各学協会の参考に資するとともに、関係府省庁・団体の方々にも出席していただいて質疑を行い、新公益法人法に対する理解を深めてもらうことを試みた。
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