研究課題/領域番号 |
20900116
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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研究分担者 |
本間 剛 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70447647)
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キーワード | 希土類原子加熱法 / ガラス / 結晶化機構 / 光非線形性結晶 / 強弾性結晶 / 強誘電性結晶 / 光導波路 / レーザー照射 |
研究概要 |
本研究は、Sm_2(MoO_4)_3、HNbO_3結晶等の光非線形性を示す単結晶ラインをガラス表面に希土類/遷移金属原子加熱法で書き込み、形態、配向、光機能(伝搬特性等)を明らかにすると共に次世代光波制御デバイスへと展開することを目的とする。本研究を通して物質、デバイス創製における希土類イオンの全く新しい展開を図る。得られた結果を以下に示す。 ○希土類原子加熱法におけるガラスの結晶化機構の解明 : 酸化物ガラスの結晶化(通常の電気炉)においてこれまで最も詳しく調べられ、核形成速度と結晶成長速度の温度依存性が解明されているLi_2O2SiO_2ガラスにレーザー照射を行い、高いc-軸配向をしたLi_2Si_2O_5結晶ラインのパターニングに成功した。最適なライン形成速度から、レーザー照射領域の温度を提案した。 ○強弾性体/強誘電体β'-Sm_xGd_<2-x>(MoO_4)_3結晶ラインにおける周期的な屈折率変化現象の解明 : 強弾性、強誘電性、二次光非線形性を示す極めて特異な結晶であるβ'-RE_2(MoO_4)_3のラインパターニングを行い、屈折率の周期的変化を示すドメイン構造をマイクロラマン散乱スペクトルや第二高調波強度測定から、その発現機構を提案した。 ○LiNbO_3結晶ラインの高品質化と光制御デバイスへの展開 : Cuo-Li_2O-Nb_2O_5-SiO_2系ガラス表面上に、レーザー誘起結晶化法でパターニングされた高配向を示すLiNbO_3結晶ラインは、光導波路として機能することを明らかにした。また、Er^<3+>イオンをガラスにドープすることによりはLiNbO_3結晶ラインに固溶することをマイクロ蛍光スペクトルから実証した。さらに、還元雰囲気下、ガラス転移温度以下での熱処理によってガラスを結晶化させることなく、ガラス表面上に金属銅の層を形成することを見出した。この金属銅の層は電極として利用することが可能であることを提案した。
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