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2008 年度 実績報告書

希土類元素の生体影響

研究課題

研究課題/領域番号 20900118
研究機関岐阜大学

研究代表者

河合 啓一  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00002064)

研究分担者 篠原 厚子  順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90157850)
キーワード希土類元素 / 微生物 / 哺乳動物 / メタノール脱水素酵素 / メタノール脱水素酵素遺伝子 / Smの臓器分布 / 実験動物 / マウス
研究概要

先端産業分野で広く用いられ、また医療分野でもMRIおよびその造影剤として使用されている希土類元素の生体影響を明らかにするために, 環境変化に敏感に応答する微生物と実験動物を用いた希土類元素の投与実験を行った。I. 微生物については, 1)Sc存在下でFusarium solani SC-2株により生産される赤紫色色素を単離し機器分析を行ったところ, キノンを母核とする構造を有しているものことが推定された。2)Ce存在下で特異的にラムナンを生産するBradyrhizobium sp. CE-3株についてプロテオーム解析を行ったところ, Ce存在下で顕著に増加したタンパク質が見出され, このたんぱく質がメタノール脱水素酵素の大サブユニット様タンパク質に高い相同性を有することを認めた。さらに本菌株がメタノール脱水素酵素を有していることを示すことができた。(3)Methylobacterium sp. EU-1株のメタノール脱水素酵素がLaやCeの添加により著しく上昇することおよび本酵素の基本的な特性を明らかにした。これらの研究は希土類元素の生物学的意義を解明するうえで極めて貴重な知見を与えるものである。II. マウスに対する影響については, Sm_3O_2微粒子の投与実験が行われた。吸入暴露実験では1週間暴露で肺におよそ50μg/g, 4週間暴露で120μg/gが取り込まれたが, 1年後には前者で1/100程度に, また後者では1/4程度に低減することが分かり, 暴露量(期間)によって低減経過に違いが見られた。他の臓器のSm濃度は肝>腎>脾>精巣の順で, 1年後における低減量は臓器により異なることが明らかになった。これらの結果は, 高Sm濃度短時間暴露時におけるSmの肺への取込みと排出に関し, 貴重な情報を提供している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Behavior of samarium inhalaed by mice-exposure length and time-dependent change2009

    • 著者名/発表者名
      A. Shinohara, M. Chiba, T. Kuraasaka
    • 雑誌名

      J. Radioanal. Nuclear Chem (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] La(Ce)によるMethylobacterium sp. EU-1のメタノール脱水素酵素の過剰生産2008

    • 著者名/発表者名
      河合啓一・奥田雅代・岩間智徳・鈴木徹
    • 雑誌名

      希土類 52

      ページ: 72-73

  • [雑誌論文] 生体と希土類2008

    • 著者名/発表者名
      篠原厚子
    • 雑誌名

      金属 78

      ページ: 779-785

    • 査読あり
  • [学会発表] Methanol dehydrogenase od Bradyrhizobium sp. CE-32009

    • 著者名/発表者名
      N. A. Fitriyanto, M. Fushimi, M. Matsunaga, T. Iwama, K. Kawai
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] Methanol metabolism of Bradyrhizobium sp. CE-32008

    • 著者名/発表者名
      N. A. Fitriyanto, M. Fushimi, T. Iwama, K. Kawai
    • 学会等名
      日本生物工学会
    • 発表場所
      東北学院大学土樋キャンパス
    • 年月日
      2008-08-28
  • [図書] 希土類の材料技術ハンドブック(足立吟也監修)37章希土類の農業への応用2008

    • 著者名/発表者名
      河合啓一
    • 総ページ数
      896-904
    • 出版者
      株式会社エヌ・ティー・エス
  • [図書] 希土類の材料技術ハンドブック(足立吟也監修)分短執筆39章希土類の生体への分布2008

    • 著者名/発表者名
      篠原厚子
    • 総ページ数
      926-933
    • 出版者
      株式会社エヌ・ティー・エス

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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