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2008 年度 実績報告書

豚の生育段階及び小腸部位での各消化酵素活性の違い

研究課題

研究課題/領域番号 20925030
研究機関株式会社栄養・病理学研究所

研究代表者

塚原 隆充  株式会社栄養・病理学研究所, 取締役部長

キーワード豚 / 2糖分解酵素 / 小腸絨毛
研究概要

【目的】子豚は早期離乳によって絨毛が短くなり,その後の発育が影響を受ける。この時期の小腸絨毛高さと消化酵素活性には正の相関があり,絨毛萎縮で食物の消化が不完全になり,豚が発育不全になると考えられている。一方で,離乳から育成期にかけて生育段階毎に絨毛高さと消化酵素活性の相関を検討した事例は殆どない。そこでほ乳期から育成期まで,飼料が異なる度に豚を剖検して小腸絨毛高さと消化酵素活性との関連を検討した。
【方法】養豚場からほ乳期(21日齢5頭),離乳前期(36日齢4頭,人工乳前期飼料),離乳後期(10週齢4頭,人工乳後期飼料)及び育成期(14週齢4頭,育成期飼料)の子豚を供試した。小腸を摘出し,8等分して胃側を小腸1,盲腸側を小腸8とした。各小腸の中央部を常法によりHE染色標本作製後,絨毛高さを測定した。各小腸残部の腸粘膜から粗酵素液を調製した。タンパク質濃度,マルターゼ(MA),スクラーゼ(SU)及びラクターゼ(LA)活性を測定した。
【結果及びまとめ】小腸全体の絨毛高さと2糖類酵素活性の相関は,ほ乳期ではLAが正の相関を示した(r=0.32)。離乳前期では,3酵素とも絨毛高さと正の相関を示し,MAが最も高かった(r=0.69)。離乳後期では,3酵素とも正の相関を示し,LAが最も高かった(r=0.59)。育成期では,3酵素とも相関係数は低かった。酵素活性が他の部位と著しく異なる小腸1及び8を除いた所,SU(r=0.59),及びMA(r=0.37)に正の相関が認められた。以上より離乳から育成期にかけても2糖類消化酵素活性と絨毛高さは正の相関を示すことが示唆された。乳酸菌製剤など絨毛の高さを高くする物質は離乳後の一時期だけでなく,その後の投与も有効である可能性も示唆された。我々の報告では,養豚現場では育成期の子豚が消化不良性の下痢を頻発すると報告していることから,育成期の絨毛の高さを高くすることでこれらの下痢を解消できるかもしれない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 生育段階の異なる豚における2糖分解酵素活性と小腸絨毛高さとの関連2009

    • 著者名/発表者名
      塚原隆充
    • 学会等名
      日本獣医学会(発表確定)
    • 発表場所
      栃木県宇都宮市
    • 年月日
      2009-04-03
  • [備考]

    • URL

      http://kyoto-inp.cc/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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