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2008 年度 実績報告書

長距離空輸された実験動物の状態は外気の温湿度条件に影響を受けるか

研究課題

研究課題/領域番号 20932014
研究機関宮崎大学

研究代表者

中村 豊  宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター・生物資源分野, 技術専門職員

キーワード長距離空輸 / 空港内荷物保管室 / 機内貨物室
研究概要

【目的】2007年度科学研究費補助金を受け、生鮮食品の品質管理用小型温湿度記録装置が、動物陸送時の微環境温湿度の経時的モニタリングに有効であることを実証した。今回は、この装置を用いて長距離空輸される動物に及ぼす輸送箱内温湿度の影響を検討する。【方法】小型データロガー「ハイグロクロン(Dallas Maxim USA)」を用いて、動物輸送時の空調車内部と空港内荷物保管室、機内貨物室の輸送箱外部、および輸送箱内部の温湿度を測定記録する。動物輸送は静岡県厚木市から宮崎県清武町まで陸送と空輸で所要時間約25時間である。この間車内温度は15℃、機内貨物室は25℃前後に設定し、測定間隔は5分とした。【結果】測定は20年9月2日、9日(夏季)および21年1月13日、27日(冬季)に行った。1.記録された夏季と冬季の荷物保管室、機内貨物室の平均箱内温度は25.4±3.0℃、27.7±1.8℃、および15.3±3.6℃、25.5±5.4℃であった。2.平均箱内湿度は92±3.6%、83.5±3.9%、および85.2±11.7%、72.6±16.2%であった。
【考察】空港到着後の平均箱内温湿度を陸送時と比較すると、夏季温度は荷物保管室、機内貨物室で上昇するが、冬季では荷物保管室で降下し機内貨物室では上昇することが示された。陸送中の箱内湿度は高めであるが、荷物保管室の箱内湿度は夏季でさら上昇し、冬季ではほぼ同じ湿度を保ち、機内貨物室では夏季、冬季ともに降下することが示された。動物を空輸する場合、空港に到着した輸送箱が荷物保管室や機内貨物室に置かれている短い時間に、急激な温湿度変化で箱内温湿度環境が悪化し、輸送動物に大きな影響を与えることが示唆された。以上より長距離空輸する際、ウサギ等の高温多湿に弱い実験動物輸送には充分な配慮が必要であることが判った。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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