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2021 年度 実績報告書

清末中国人女性の海外留学についての多角的研究――日本人女性との比較を中心に――

研究課題

研究課題/領域番号 20F20005
研究機関神戸大学

研究代表者

濱田 麻矢  神戸大学, 人文学研究科, 教授 (90293951)

研究分担者 LIN LITING  神戸大学, 人文学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
キーワード金韻梅 / 清末女性 / ハワイ華人
研究実績の概要

本研究はアジア女性の精神史の一断面として、海外と女性との邂逅について思考を巡らせたものである。具体的には、中国人の留学黎明期であった1880年代に米国に留学し、英語で講演や医療、農業、そして文学創作と多方面に渡って活躍した金韻梅(Yamei Kin)という女性に焦点を当て、金の異文化体験とナショナル・アイデンティティの構築との関係や、キリスト教と儒教との間の精神的葛藤、「女性の領域」に対する受容を考察し、資料調査とテクスト分析を主要な方法として、清末女性のあり方に文学からアプローチした。
まずは講演活動から着手して、英語を第一言語として獲得した金韻梅が、中国と米国、儒教文化とキリスト教文化の間でどのように中国を語り、米国ののオリエンタリズムに異議を唱えたのかを探った。
次に金による唯一の小説に注目し、ハワイ華人の家族について書かれた英文の短篇小説から読み取れるものを明らかにした。
中国近現代文学研究は一般に1915年の新文化運動を境に区切られて語られることが一般的だったが、今回の共同研究ではその枠組み自体を外し、「女性の越境」をテーマとして清末から民国期までを同じ問題意識で考え直すことを試みた。結果として、女性の越境は男性のそれと比べ、より「私」に属する事情(主に家族関係)に影響されており、「公」(つまり政治的)な事情で形作られてきた従来の時代区分に必ずしも馴染むわけではないことが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] 浙江工商大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      浙江工商大学
  • [雑誌論文] 交差するまなざし―日米を行き来する金韻梅―2022

    • 著者名/発表者名
      林 麗てい
    • 雑誌名

      未名

      巻: 39 ページ: 35-58

    • 査読あり
  • [学会発表] ハワイの華人を描く―金韻梅の英語創作について―2022

    • 著者名/発表者名
      林麗てい
    • 学会等名
      異郷に学び、異郷を書く―華人女性の留学体験
  • [学会発表] 清末女医の英語創作―金韻梅と康成の小説をめぐって―2022

    • 著者名/発表者名
      林麗てい
    • 学会等名
      日本比較文学会第84回全国大会
  • [学会発表] 伝統と現代の狭間で―張恨水『啼笑因縁』と『金粉世家』を中心に―2021

    • 著者名/発表者名
      林麗てい
    • 学会等名
      日本中国学会
  • [学会発表] 近代女医金韻梅の日本体験と日本観2021

    • 著者名/発表者名
      林麗てい
    • 学会等名
      東アジア視域下の中日文化関係―訪日した中国人を中心に―
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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