研究課題/領域番号 |
20F20008
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
阿部 高志 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (00549644)
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研究分担者 |
FAN ZHIWEI 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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キーワード | 時間知覚 / 断眠 / 睡眠 / シータ律動 |
研究実績の概要 |
睡眠不足は、時間の認識などの認知機能を低下させる。睡眠不足の状態では、時間が過大評価される傾向がある。さらに、睡眠不足は時間知覚の概日変動に影響を与える。時間知覚は、シータ律動のような他のリズムでも変動することがある。これまでの研究では、知覚された時間は、キューからターゲットまでの間隔の関数として、シータ周波数で変動することが示された。しかし、睡眠不足が概日リズム以外のリズムの時間知覚に影響を与えるかどうかは不明である。本研究では、研究倫理委員会の承認を得て、断眠と通常睡眠前後の時間知覚を比較した。両条件とも、睡眠時間(23:00~8:00)前後のタスクで、参加者(N = 24、女性13、平均年齢25.6±3.5歳)にキーを押して3秒間の時間を生成してもらった。キュー(応答信号があることを示す)とターゲット(できるだけ早く3秒を出すことを示す)の間隔は0.25ー1.05秒、1/30秒刻みで設計した。その結果、断眠条件下では、先行研究同様、時間の過大評価が見られた。また、低シータ周波数(4.4~4.8Hz)における時間知覚の揺らぎが、断眠下で強くなることがわかった。さらに、時間知覚は非常に低い周波数で変動し、パワースペクトルに反映される場合があった。つまり、通常睡眠と比較して、断眠は、0.01ー0.04 Hzでより多くの時間知覚の変動をもたらし、逆に、0.001ー0.01Hzではより少なくなった。本研究は、時間知覚のような認知能力が様々なリズムで変動し、睡眠不足がその変動に影響を与える可能性を示唆するものである。今後はその背景にある神経生理学的なメカニズムの研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により、ヒト対象とする本研究の実験進捗が予定より遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
行動データを詳細に解析した結果、4.4-4.8Hzのシータ帯域に時間知覚の変動が見られ、それが断眠によって増強されることがわかった。その背景となるメカニズムを検討するために、行動データとともに取得した脳波を解析し、脳波上のシータ律動と行動データとの関係性を明らかにする。
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