研究課題
今年度は、言語の曖昧性に注目した分析を行った。言語には、複数の解釈を持つ単語が存在する。語彙的曖昧さ、同音異義と呼ばれる語彙の曖昧さの1つは、その単語の特徴付けにもなる。こうした多義性には、多かれ少なかれ関連する語彙の意味が含まれる。例えば、「口」という言葉には、「体の器官」という意味と、「その洞窟の入り口」と言ったような類のものだ。今年度の研究では、曖昧さの概念として同音異義語や多義語の曖昧さの両方をカバーする広い意味で研究した。このような形の曖昧さは、ミスコミュニケーションの危険性をはらんでいる。心理学の文献では、曖昧な用語はより広い適用性を持っていると主張しているものもあるが、いずれにせよ曖昧な単語を複数の意味で話者の戦略的行動は拡大されることが想像できる。しかし、今年度の成果ではこの特徴が非常に重要でパレート優位な均衡をより達成しやすいことを示した。この分析を通じて、曖昧さの感覚に関連する性質が、曖昧さを克服するために曖昧な単語は、より正確な単語が存在する場合でも、優位に立つことができることを示した。さらにこうした分析を、複数の命題が連なる文脈に適応するために、命題間の関連性を定量する手法を前年度の成果から援用し、冗長性や無関連性も話者の戦略的行動内に組み込むことにも成功した。これにより、シグナリングゲームやチープトークゲーム等のゲーム理論における標準的なコミュニケーションにおいて、最適な均衡が達成することを示すことが可能になった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Logic, Language and Information
巻: 31 ページ: 99-112
10.1007/s10849-021-09349-4
Studies in Logic
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