研究課題/領域番号 |
20F20062
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
樋山 恭助 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (10533664)
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研究分担者 |
SRISAMRANRUNGRUA THANYALAK 明治大学, 研究・知財戦略機構, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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キーワード | 自然換気 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究は、効率的運用に経験値を必要とする中間期排熱に着目し、その具体的な活用手法を提案する。この研究目的の下、本年度は、提案する技術開発のための理論構築とケーススタディによる効果検証を進めた。まず、エネルギーシミュレーションソフトウェアを用いた熱換気回路網解析により、排熱による換気駆動力の向上の効果検証を実施した。対象モデルは竪穴を持つ建築物とし、この竪穴空間内の空気温度を排熱により上昇させることにより、空気の密度差に起因した浮力を増加させることで、換気量の増加を実現した。この際、建築物からの排熱を想定した熱量の付加による駆動力の増強を行うことで、どの程度換気量を確保可能か、感度解析を実施し、その効果の範囲を把握した。 加えて、AIによる最適化に向けて、使用するAIのアルゴリズムの整理を行った。なお、建築物の運用にAIを用いる場合、その建築物固有の特性に起因し、集合的に構築されたビッグデータを直接的に利用できないことがある。このため、本研究においては、単体建物から得られる限定された量のデータを用いて、自然換気の駆動条件を決定するためのロジックの検討を進めた。アルゴリズムの整理に関しては、その汎用性の確保を目的に、人工ニューラルネットワークの利用を前提に、最適なノードの数と層の構築方法の目安を定め、その入力データとしては、取得データの直接的な入力ではなく、差分としての一次処理を行うことにより、そのデータの必要量を低減する方法論の効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿い、排熱による自然換気駆動力の増加可能量を調査し、その最適な運用方法として、自然換気の駆動の可否を決定するためのAIの導入方法の検討が進められている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年度として、研究により発展させた技術的提案の効果をケーススタディを通して確認する。研究成果は対外的な発表を通してフィードバックを得ることで、より実務的に有用が技術提案へと発展させることを検討する。
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