• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

ODE 型解の高次漸近展開とそれに付随する逆問題

研究課題

研究課題/領域番号 20F20327
研究機関東京大学

研究代表者

石毛 和弘  東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (90272020)

研究分担者 EOM JUNYONG  東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2020-11-13 – 2023-03-31
キーワード非線形放物型方程式 / ODE 型解 / 漸近展開
研究実績の概要

様々な非線形放物型方程式において, 対応する常微分方程式系の解の様に振る舞う解(ODE 型解)の時間大域挙動を調べた. 特に, (1) 高階非線形放物型方程式における ODE 型解、(2) 異なる拡散係数をもつ弱連立非線形放物型方程式系における ODE 型解の漸近挙動について研究を行った.
(1) 非線形高階放物型方程式における ODE 型解:
昨年度まで、2階非線形放物型方程式における ODE 型解に対しては、比較原理から解の先験的評価を導くことにより非線形項の減衰評価を求め、ODE 型解の時間大域挙動が得てきた。一方、高階放物型方程式に対しては比較原理が成り立たないため、既存の議論が使えなかった。今年度の研究では、初期値が正定数関数への小さな摂動を加えたものとして表現できる場合には、逐次近似法を用いて解の先験的評価を求めることによって高階放物型方程式における非線形項の減衰評価を求め、非線形高階放物型方程式におけるODE 型解の漸近挙動を求めた。
(2) 異なる拡散係数をもつ弱連立非線形放物型方程式系における ODE 型解:
同じ拡散をもつ弱連立非線形放物型方程式系に対してはシステム特有の対称性を導くある変換によって ODE 型解の時間大域挙動が得られた。しかし、異なる拡散係数をもつ放物型方程式系に対してはその対称性がなく、その解析は優しくない。本研究では、拡散係数の差がある程度小さければ逐次近似法を用いてODE 型解の時間大域挙動は熱方程式の解と同じように振る舞うことを示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画の通り、2階非線形放物型方程式の ODE 型解の高次漸近理論を発展させ、高階非線形放物型方程式における ODE 型解の高次漸近展開を得ることには成功した。

今後の研究の推進方策

研究計画に沿って, 非線形消散波動型方程式や一般的の非線形放物型方程式のODE 型解の漸近挙動解析を中心に研究を推進していく。また、Hot potato Kugel 定理など逆問題での ODE 型解の応用を目指して研究を推進していく.

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi