研究課題/領域番号 |
20F20409
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
妹尾 昌治 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 特任教授 (90243493)
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研究分担者 |
AFIFY SAID 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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キーワード | 免疫チェックポイント / がん幹細胞 / CD44陽性細胞 / CD33陽性細胞 / スフィア形成能 / 腫瘍形成能 / RNAシークエンス解析 / パスウエイ解析 |
研究実績の概要 |
樹立されたがん幹細胞および比較に用いた細胞株において、RK-10ペプチドのアミノ末端を蛍光標識して、細胞表面染色を試みたが、いずれの標的細胞も明瞭な染色像が得られなかった。RK-10はPD-L1に特異的に結合してPD-1/PD-L1の結合を阻害するとされるが、RK-10が実質的なリガンドとなり得るかどうかの検証は無く正確な結論はできない。ペプチドでは細胞上の一点を独立に刺激することしかできないが、細胞がPD-1を提示してリガンド刺激を行う場合には多点で刺激を行うことができる点で同等とは言えないため、今後の課題である。本研究遂行中に、CMTM6がPD-L1のリソソームでの分解を阻害して安定化していることが報告された。次世代シークエンスのデータからCMTM6の発現は確認できるものの発現量次第ではRK-10ペプチドを添加しても細胞内シグナルの検出が困難になる可能性がある。しかし、これまでにがん幹細胞ではPI3Kの発現上昇とそのシグナル経路の活性化を見出しており、これにはチロシンキナーゼ型受容体やGタンパク質共役型受容体の介在が示唆されている。PD-L1は1回膜貫通型タンパク質でそのカルボキシル末端は細胞内領域である。この中には種間保存率が高いセリン/スレオニンが3残基存在する。これらの残基のリン酸化とPI3K/AKT/mTOR経路との関連について解析することは、CMTM6との親和性を含めてPD-1/PD-L1の免疫チェックポイントシステムのがん細胞側の応答として依然重要な課題である。現状を踏まえて成果をさらに進展させるには、PD-1を定常発現するJurkat細胞の樹立が不可欠と考えられた。本研究の成果は、ヒト単球細胞をリプログラムして得られたiPS細胞からがん幹細胞を樹立し、この細胞がPD-L1を発現する能力と同時に骨髄由来抑制細胞への分化能獲得を明らかにしたことである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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