研究課題/領域番号 |
20F20717
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
永原 隆 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (80755372)
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研究分担者 |
GLEADHILL SAM 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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キーワード | スプリント走 / 牽引走 / レジステッド走 / 負荷の最適化 / キネマティクス / キネティクス / バイオメカニクス / レジスタンストレーニング |
研究実績の概要 |
本研究は,スプリント走のトレーニング手段の一つであるレジステッドスプリント(身体に錘を付加する,錘を引くなどの条件で行われるスプリント走)の負荷がスプリント走の特徴に与える影響,トレーニング効果を最大化する最適な負荷特性について明らかにすることを目的とした. 令和2年度は,スレッド走(錘をのせたソリを引いて走る,または押して走る)の最適な負荷設定基準を明らかにするための実験を開始した.この研究では,10名の男性スプリンターと10名の男性野球選手を対象に,1)通常のスプリント走,体重の50%,75%,90%の重さの錘を付加したスレッド走を行わせ,その際の連続した地面反力をフォースプレートで計測することで各選手の負荷-速度プロファイルを作成し,2)作成した負荷-速度プロファイルに基づいて,通常のスプリント走の速度から50%,75%,90%速度低下する負荷で,スレッド走(押す,引くの2条件)を行わせ,その際の連続した地面反力や疾走動作を計測した. また,令和2年度においては,ウエイトベスト(身体に装着する錘)がスプリント走に与える影響を明らかにした.この研究では,14名の男性スプリンターを対象に,ウエイトベスト(体重の7%)を着用した条件,着用しない条件で60mの全力走を行わせ,疾走中の連続した地面反力を50mに渡ってフォースプレートを用いて計測することで,ウエイトベストが加速疾走の各局面における時空間変数や地面反力へ与える影響を明らかにした.結果として,ウエイトベストの着用は,疾走中の能動的な鉛直力の発揮を増加させないが,大きな合計負荷(体重+ウエイトベスト)を支持するための鉛直力の発揮時間(支持時間)を伸長させることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は,スレッド走(錘をのせたソリを引いて走る,または押して走る)の最適な負荷設定基準を明らかにするための実験を開始した.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,実験や分析,論文執筆が一時的に中断した.
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は,令和2年度に引き続き,スレッド走の最適な負荷設定基準を明らかにするための実験を行い,分析を進める.分析は,地面反力,下肢の動作,下肢の関節キネティクスの観点から行う.分析したデータを基に,論文執筆を進め,スレッド走の最適な負荷設定基準を明らかにする.
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