研究課題/領域番号 |
20F20766
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
小林 元太 佐賀大学, 農学部, 教授 (40291512)
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研究分担者 |
RAHMAN MD. 佐賀大学, 農学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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キーワード | 重金属耐性菌 / 有明海 / 底泥 |
研究実績の概要 |
有明海の底泥を分離源として重金属耐性菌の分離を実施した。ヒ素、鉛、カドミウム、ニッケル、クロムの濃度を1mM~1000mMまで種々の濃度に調製した平板寒天培地を用いた。その結果、ヒ素耐性に関しては800-1000mMという高濃度に耐性を示す菌株が多数見いだされた。また、他の重金属に関しては6.5-14mMの範囲で耐性を示す菌株を見いだした。菌株を同定し、各菌種と重金属濃度との相関関係について検討中である。また、分離源として用いた有明海底泥中の各重金属濃度をICP-MSを用いて測定し、底泥中の重金属除去能について詳細な検討を行っている。さらに、重金属耐性菌と組み合わせる予定である未利用農水産廃棄物に関して重金属吸着能を検討した。一部の未利用農産廃棄物に関しては、顕著な重金属除去能を見いだしたので、学術誌への論文投稿を行うために、英文校閲中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重金属耐性菌の分離に成功し、その除去能の差異について検討しており、さらに未利用農産廃棄物をマトリックスとして用いた際の重金属除去能についても顕著な知見を見いだしたので、論文を投稿するために現在準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度と同様に、有明海を中心とした泥や海水等を分離源として、重金属に耐性を示す微生物の分離を継続して実施し、菌種の同定を行う。 また、分離源中に含まれる重金属濃度も測定して、重金属濃度と菌種の相関関係に関しても検討する。 重金属を吸着させるマトリックスについては、さらに各種の農水産廃棄物の有効利用に関して検討していく。 現在、学術論文を執筆中であり、英文校閲後に投稿予定である。さらに、最終年度終了までにもう1報を執筆予定である。 国立水俣病研究センターと技術交流も引き続き実施し、新たな分離源に関する知見を協議していく予定である。
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