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2020 年度 実績報告書

交配試験によるアスペルギルスの種の概念と抗真菌薬耐性株拡散の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20F20772
研究機関千葉大学

研究代表者

矢口 貴志  千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60361440)

研究分担者 HUBKA VIT  千葉大学, 真菌医学研究センター, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2020-11-13 – 2023-03-31
キーワードAspergillus fumigatus / Aspergillus fumigatus関連種 / 薬剤感受性 / 交配
研究実績の概要

本研究を推進するにあたり、使用する菌株選択のため、特定遺伝子の塩基配列による菌種同定の確認と抗真菌剤の感受性データの取得を実施した。
まず、千葉大学真菌医学研究センターに保存されているAspergillus fumigatusの関連種 A. viridinutans 種複合体の中から日本産の臨床由来株、環境由来株を選択し、A. udawgawae 62 株、A. felis 23 株、A. pseidoviridinutans 23 株、 A. wyomingensis 1 株において、beta-チューブリン遺伝子、カルモジュリン遺伝子の塩基配列の決定を行い、それぞれの菌種であることの確認を行った。次に、これら菌株を使用して、近年、A. fumigatusにおいて耐性が問題となっているアゾール薬剤に対する感受性を測定した。A. udawgawae においては、アスペルギルス症の第1選択薬であるボリコナゾールにおいては 2-8 micro-g/ml と耐性をしましたが、イトラコナゾールに対しては 0.5-2 micro-g/ml と感受性を示した。これに対してA. felis、A. pseidoviridinutans は、ボリコナゾール、イトラコナゾールともに 0.5->8 micro-g/mlと多くの株で耐性性を示した。それぞれの菌種において、臨床由来株、環境由来株では、薬剤感受性に差がなかった。
交配に関与するMAT遺伝子のタイプを、A. udawgawae 6 株、A. felis 2 株、A. pseidoviridinutans 3 株、 A. wyomingensis 1 株において決定した。臨床由来株、環境由来株では、MAT遺伝子のタイプ MAT1-1-1、MAT1-2-1の出現比率に差がなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Aspergillus viridinutans 種複合体において、A. udawgawae 62 株、A. felis 23 株、A. pseidoviridinutans 23 株、 A. wyomingensis 1 株において、b-チューブリン遺伝子、カルモジュリン遺伝子による同定の確認を行い、さらに、アゾール薬剤に対する感受性の測定、交配に関与する遺伝子MATのタイプの決定をすることができた。これらのデータより、臨床由来株、環境由来株、薬剤感受株、耐性株の中から、今後の研究に用いる菌株を選択することができる。
以上より、本研究を推進するための基盤データは、順調に取得できていると考える。

今後の研究の推進方策

これまで菌種同定のために取得している b-チューブリン遺伝子、カルモジュリン遺伝子以外のRPB1、2遺伝子などの塩基配列を決定し、詳細な菌学的な位置づけを確定する。また、アゾール耐性株においては、その耐性メカニズムとして、これまで報告されているエルゴステロール合成酵素遺伝子 cyp51A 遺伝子の点変異の有無、タンデムリピートのパターンを確認する。また、これらの菌株のうち、昨年度、交配型(MAT 1-1、1-2)を決定が行われていないものについて、その交配型を決定する。これらのデータより、今後の研究に用いる菌株として、臨床由来株、環境由来株、薬剤感受株、耐性株を選択し、交配試験を実施する。
さらに、Aspergillus fumigatusの関連種以外の菌種においても、この方法を使用して菌学的な位置づけの確認を実施する。

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公開日: 2021-12-27  

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