研究実績の概要 |
一年目は期間が短かく、またコロナの状況が非常に良くないために、実験を行うことがとても難しかったため、結果はまだ得られていない。2021年4月以降に実験を行えるよう、限られた時間と環境の中、文献を使った研究を主に行い、日本語訛の英語の、特に文節音の特徴の抽出を中心に行った。日本語訛の特徴が顕著に表れる文節音を特定したが、その中で特に、(1)英語母語話者にとって、知覚上誤解を与える文節音、(2)今後実験を計画している(a)スペイン語、(b)チェコ語話者にとって、知覚上問題となると想定される文節音、(3)また第一言語を問わず一般的にどの言語話者にも問題となる確率の高い文節音と韻律上の問題点を抽出した。 (1)-(3)の結果を元に、これらの文節音を含む英語の単語を選定し、それらの文節音に対応する日本語の単語の選定を行った。日本語話者の英語の発音で、一般的に近く認識上問題が多い文節音は、/r, l, z, dz, f, h, v, sh, th (有声・無声), p, t, k, n/(JSPSのシステムで音声記号が認識されないため、一般的なアルファベットの綴りで記載)であることが、様々な文献で一致しているが、実際の日本語訛の発話で言語を問わず一番コミュニケーション上一番問題となるのは母音の調音、特に母音の弱化とtense-laxの母音の区別、子音間への母音の挿入であることがわかった。 これらを元に、2021年度に日英バイリンガル話者を使った日本語と英語の発話の録音を行えるように、準備を進めている。 また、オンラインでデータ収集が行えるよう、スマートフォン用の実験アプリを作成し、現在アプリのテスト中である。
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