本研究課題は美術出版社から寄贈された莫大なネガフィルム(同社刊行の雑誌記者がアーティストの制作場所および展覧会を取材した際に撮影したもの、約18万カット)をアーカイブ化するとともに、それを用いた研究を通して現代美術史の方法論の刷新を試みる。また戦後美術のアーカイブ化を手がける国外の美術館とも連携する。 こうしたフィルムは戦後日本美術史を生き生きと映し出す一次資料であり、そのアーカイブ化には大きな学術的意義がある。期待される成果の一つは美術史の方法論の革新である。これは、アーカイブ化によって研究の材料となる資料の量が飛躍的に拡大し、また今まで得られなかった美術制作のコンテキストが豊富に与えられることで生じる可能性がある。
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