研究課題
2022年度の主要な実績は、(1) KBA子音の総合的な頻度分布に関する考察結果の刊行と国際シンポジウムにおける発表、(2) カラハリ・コエ諸語の語彙データベースの敷衍と整備、(3)同諸語のテキスト・コーパスの編集の継続、(4)標本言語の個別的な調査トピックの開拓に要約できる。(1)については、プロジェクトメンバーによる共同執筆でLinguistic Typologyに投稿し掲載が決定した論文の最終校正を完了し、刊行を待つばかりとなっている。また、2022年7月に開催された国際コイサン言語学シンポジウムKBA Riezlern 2022で研究代表者は本プロジェクトに基づく研究成果の発表を単著で行った。さらに2022年11月には、研究代表者が日本英語学会全国大会特別シンポジウムでKBA語根頭子音複合体の分析にかかわる論争を総説する招待講演をした。2022年12月に開催された国際シンポジウムDiversity and Documentation of Speech Sounds in Languages of the Worldで、プロジェクトメンバー全員による共同発表を行った。(2)と(3)については、語彙データベースにおける語根頭子音および語根第1母音の音声詳細のコード化の作業を進めた。これは、プロジェクトメンバー全員で手がける次の研究トピックに直接関連する。(4)の例としては、これまで考察されることのまれだったカラハリ・コエ諸語の音象徴を扱う研究を、研究代表者がグイ語を事例に、海外共同研究者のA-M. Fehnがツィハ語を事例にして、進めつつあり、すでにLivia Kortvelyessy(P.J. Safarik大学)教授編によるOnomatopoeia Handbookにそれぞれ個別の章を寄稿することが決まっており、すでに原稿は投稿済みである。
3: やや遅れている
パンデミックにより現地調査のための海外出張を控えるプロジェクトメンバーが多く、資料の追加収集と精緻化がやや遅れている。
現地調査のための海外出張を再開し、また、それと同時に、国内に滞在中の母語話者の協力を得て、資料の追加収集とこれまでの資料の精緻化の遅れを取り戻す。
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Linguistic Typology
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10.1515/LINGTY-2022-0047