研究課題
基盤研究(A)
本研究は、文献に登場する地名、建物名、出来事などから場所や時間を特定しデータ化するシステムの開発を目指すものである。具体的には、自然言語処理技術を用いて、「~の北」「~の途中で」のような記述を抽出し、緯度・経度および年月日と結びつける。「~付近」「18世紀」のように幅がある場合には、研究代表者らが開発したあいまいな時間表現を処理する技術を応用する。人名、建物、組織名のようなものから時空間を同定する取り組みは世界初であり、高く評価できる。これまで、緯度・経度や年月日を記述することの困難さから、多くの時空間情報のデータ化が断念されてきた。本研究の成果により、これらの埋もれた時空間情報が発掘・可視化されれば、人文科学に留まらず幅広い分野での活用が期待される。